冷房代が月3,000円減!猛暑の夜も快適に眠れる「エアコン節約術」7選
「暑くて眠れない」と午前2時に目が覚め、冷房を強くしたら、今度は寒くて午前4時に起きる……。猛暑の夜、そんな“エアコン迷子”になっていませんか?
翌月の電気料金を見て、さらにヒヤッとすることも。とはいえ、暑さを我慢するのは禁物です。厚生労働省も、熱中症予防のため、屋内ではエアコンなどで温度を調節するよう呼びかけています。
エアコンの使い方を見直せば、快適さを保ちながら消費電力を抑えられる可能性があります。ただし、「月3,000円減」はすべての家庭で実現できる金額ではありません。削減額は、住宅の断熱性や部屋の広さ、機種、運転時間、気象条件、現在の使い方、電気料金単価によって大きく異なります。
まず見直したい「風量」と「電源」
1.風量は「弱」ではなく「自動」に
「弱風のほうが節電になりそう」と思いがちですが、部屋が冷えるまでに時間がかかり、かえって消費電力量が増えることがあります。
ダイキンが特定の住宅とエアコンを使い、日中の11時間にわたって行った実験では、消費電力量は風量「弱」が3.85kWh、「自動」が2.79kWhでした。差は1.06kWhで、電力料金の目安単価を31円/kWhとして同じ条件の運転を30日続けると、約990円の差に相当します。
これは一つの実験条件による結果で、すべての家庭で同じ効果が出るわけではありませんが、通常は風量を「自動」にすると、設定温度に近づくまでは強め、その後は弱めにするなど、効率よく調整してくれます。
2.短時間の外出では、こまめに消しすぎない
エアコンは、暑くなった部屋を設定温度まで冷やすときに多くの電力を使います。そのため、短時間の外出では、電源を切らずに運転を続けたほうが消費電力量を抑えられる場合があります。
ダイキンが真夏の日中に行った実験では、30分程度の外出なら、冷房を切るより「つけっぱなし」のほうが消費電力量が少なくなりました。一方、夜間は外気温が下がるため、同じ実験では「つけっぱなし」が有利だった時間は18分程度まででした。
損益の境目は、外気温や日当たり、住宅の断熱性、設定温度などによって変わります。「30分以内なら必ずつけっぱなしがお得」という意味ではありません。長時間留守にする場合は電源を切るなど、状況に応じて使い分けましょう。
快眠のカギは「寝る前の準備」
3.就寝30分前から寝室を冷やす
寝る直前に冷房を入れるより、就寝の30分ほど前から運転し、寝室にこもった熱をあらかじめ取り除いておくと、眠りにつきやすくなります。日中は遮光カーテンなどで日差しを遮り、冷房中は窓やドアを閉めましょう。
一般的な目安として、寝室の室温は26~28℃程度が挙げられます。ただし、エアコンの設定温度と実際の室温は同じとは限りません。枕元に温湿度計を置き、暑さや寒さを感じない範囲で調整してください。年齢や体調によっても快適な温度は異なります。
冷風が体に直接当たり続けないよう、冷房時の風向きは水平または上向きにします。暑く感じたときは、設定温度だけでなく、風量や空気の循環も見直しましょう。
4.温度だけでなく湿度も確認する
同じ室温でも、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、蒸し暑く感じます。湿度計で確認し、60%を超えて不快に感じる場合は、冷房や除湿運転で60%以下を目安に調整しましょう。
ただし、除湿運転が必ず冷房より省エネになるとは限りません。室温を下げた空気を温め直す「再熱除湿」は、一般的な冷房や、冷房しながら除湿する「弱冷房除湿」より消費電力が大きくなる場合があります。除湿方式や運転特性は機種によって異なるため、取扱説明書を確認してください。
空気を循環させ、冷房効率をアップ
5.扇風機やサーキュレーターを併用する
風を受けると汗が蒸発しやすくなり、体感的に涼しく感じられます。扇風機やサーキュレーターを併用すれば、設定温度を必要以上に下げずに済むことがあります。
冷たい空気は床付近にたまりやすいため、サーキュレーターなどを使って室内の空気を循環させましょう。ただし、就寝中に強い風が体へ直接当たり続けると、冷えや不快感につながることがあります。壁や天井に向ける、首振りや弱風を使うなどして調整してください。
なお、扇風機などにも電力は必要です。併用すれば必ず家庭全体の消費電力量が減るわけではなく、エアコンの設定温度を下げすぎないための補助として使うことがポイントです。
6.フィルターは月1~2回掃除する
フィルターにほこりがたまると、空気を吸い込みにくくなり、冷暖房効率が低下します。資源エネルギー庁の試算では、フィルターが目詰まりした2.2kWのエアコンと、フィルターを清掃した場合を比較すると、年間31.95kWh、電気料金の目安単価31円/kWhで約990円の節約になります。
この金額は年間の冷暖房使用を想定した一定条件下の試算で、夏の1カ月だけで990円安くなるという意味ではありません。
掃除方法や頻度は機種によって異なります。自動お掃除機能がある機種を含め、取扱説明書を確認しましょう。水洗いできるフィルターは、洗った後に日陰で十分に乾かしてから取り付けます。エアコン内部を自分で洗浄すると、故障や発煙、発火につながるおそれがあるため、専門知識が必要な内部洗浄はメーカーや適切な事業者に相談してください。
室外機の周りも忘れずチェック
7.吹き出し口に“風の通り道”をつくる
室外機は、室内から運んだ熱を屋外へ放出します。吹き出し口や吸い込み口の近くに植木鉢、自転車、収納ボックスなどがあると、空気の流れが妨げられ、運転効率が低下することがあります。周囲を整理し、製品の取扱説明書に記載された必要なスペースを確保しましょう。
直射日光を避ける日よけを設置する場合も、室外機の吸い込み口や吹き出し口をふさがないことが重要です。メーカーが指定する離隔距離を守り、室外機を囲い込まないようにしてください。
室外機に濡れタオルを掛ける方法は避けましょう。ダイキンの実験では、濡れタオルが風通しを妨げた場合、タオルなしより消費電力量が増えました。物を載せること自体も、落下や変形、故障の原因になるおそれがあります。
今夜から始める節約習慣
7つすべてを一度に完璧にこなす必要はありません。まずは、次の4つから始めてみましょう。
- リモコンの風量を「自動」に設定する
- 就寝30分前に冷房を入れる
- フィルター掃除の日をカレンダーに登録する
- 室外機の吸い込み口と吹き出し口の周囲を確認する
月3,000円という削減額には、一般家庭に一律に当てはめられる公的な根拠はありません。紹介した個別の試算額を単純に足すこともできません。同じ運転時間を前提にしていたり、効果が重複したりするためです。
それでも、風量設定やフィルターの手入れ、温湿度管理、室外機周辺の整理などを組み合わせれば、無駄な消費電力を減らせる可能性があります。
節電は、暑さを我慢することではありません。室温をこまめに確認し、暑いときはためらわずにエアコンを使いましょう。体調と睡眠を優先しながら、無理のない範囲で冷房の使い方を整えて、猛暑の夜を安全に乗り切りましょう。
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