ジーン・ウェブスター
あしながおじさん
第 16 部
……は従順な生きものだったので、「服装改革」を受け入れました。で、どうしたと思います? コーラス・ガールと駆け落ちしてしまったのです。
いつもあなたの
ジュディ
追伸 私たちの廊下の部屋付き女中は、青いチェックのギンガムのエプロンをつけています。あれは茶色のに替えてあげて、青いほうは湖の底に沈めてしまおうと思います。見るたびに、いやな昔を思い出してぞくっとするのです。
11月17日
親愛なるダディ・ロング・レッグズ様
私の文学者としての経歴の上に、ひどい災難が降りかかってしまいました。あなたに話すべきかどうか迷うのですが、でも少し同情してほしいのです。どうか黙って同情してください。次のお手紙でこの傷口をまた開くようなことはしないでくださいね。
私は本を書いていました。去年の冬じゅう夜ごとに、そして夏のあいだも、二人のばかな子どもたちにラテン語を教えていない時間はずっと。それを大学が始まる前にようやく書き上げて、出版社に送りました。向こうは二か月も原稿を預かっていたので、私はきっと採用されるのだと信じこんでいました。ところが昨日の朝、速達の小包が届いて(三十セント着払い)、見れば原稿がそっくり戻ってきていたのです。しかも出版社から手紙つきでした。とても親切で、父親らしい、でも率直な手紙でした。
宛名から見て私がまだ大学生だとわかったので、もし忠告を受け入れる気があるなら、卒業するまでは執筆を始めず、全力を勉強に注いだほうがいいでしょう、と書いてありました。そして読者係の講評も同封されていました。こんなふうに。
「筋立てがひどくありそうもない。人物造形は大げさ。会話は不自然。ユーモアはかなりあるが、必ずしも上品とはいえない。努力は続けるよう伝えること。いずれ本物の本を書けるかもしれない。」
全体として、あまり褒められたものではありませんでしょう、ダディ? でも私は、自分がアメリカ文学に特筆すべき貢献をしていると思っていたのです。本当に。卒業する前に大作を書いてあなたを驚かせるつもりだったのです。去年のクリスマスにジュリアの家にいたとき、その材料を集めたのでした。でもたぶん編集者の言うことが正しいのでしょう。大都会の風俗習慣を観察するには、二週間では足りなかったのでしょうね。
昨日の午後、その原稿を持って散歩に出ました。そしてガス工場のところまで来ると、中へ入って技師さんに炉を貸していただけないかと頼みました。するとその人は丁寧に扉を開けてくれ、私は自分の手でそれを放りこんだのです。まるで一人っ子を火葬してしまったような気持ちでした!
昨夜はすっかり意気消沈して床につきました。自分は何ひとつものになれないのだ、あなたはお金をまるで無駄にしてしまったのだ、と思っていました。ところがどうでしょう。今朝目を覚ましたら、頭の中に美しい新しい筋がひらめいていて、一日じゅう登場人物のことを考えながら、もうすっかりごきげんで過ごしたのです。誰も私を悲観主義者だとは責められませんわ! もし夫と十二人の子どもがある日地震にのみこまれてしまっても、私は翌朝にはにこにこ起き上がって、次のひと揃いを探し始めることでしょう。
愛をこめて
ジュディ
12月14日
親愛なるダディ・ロング・レッグズ様
昨夜、とてもおかしな夢を見ました。本屋へ入ると、店員さんが『ジュディ・アボットの生涯と書簡』という新刊を持ってきてくれるのです。その本の姿が、私ははっきり見えました。赤い布張りの表紙にジョン・グリア孤児院の絵があり、口絵には私の肖像、その下に「敬具 ジュディ・アボット」と書いてあるのです。でも、墓石の碑文を読もうとして巻末を開いたまさにそのとき、目が覚めてしまいました。まったく残念でした! もう少しで自分が誰と結婚するのか、いつ死ぬのか、わかるところだったのに。
もし本当に、自分の人生の物語を読めるとしたら、おもしろいと思いませんこと? 全知の作者によって、完全に真実のままに書かれた物語を。そしてそれを読む条件がひとつあって、いったん読んだら決して忘れられず、人生のあらゆる出来事がどういう結末になるかを前もって知りながら生きねばならず、自分の死ぬ時刻までも正確に予見しなければならないとしたら。そんなとき、いったいどれだけの人にそれを読む勇気があるでしょう? あるいは、希望も驚きもないまま生きるかわりに、それでもなお好奇心を抑えて読まずにいられる人がどれだけいるでしょう?
人生なんて、そのままでもじゅうぶん単調です。こんなにもたびたび食べたり寝たりしなくてはならないのですから。でも、食事と食事のあいだに何ひとつ予想外のことが起こりえないと想像してみてください。まあ! ダディ、ここにしみがついてしまいました。でももう三枚目ですし、新しい紙に書き始めるわけにもいきません。
今年もまた生物学をやっています。とてもおもしろい学科です。今は消化器系を勉強しています。猫の十二指腸の横断面が顕微鏡の下でどんなに愛らしいか、あなたにも見せてあげたいくらいです。
それから哲学にも入りました。おもしろいけれど、つかみどころがありません。私は、議論の対象を板にピンで留めておける生物学のほうが好きです。またしみが! また一つ! このペンは涙をぼろぼろこぼしています。どうかその涙をお許しください。
自由意志を信じますか? 私は信じます。無条件に。あらゆる行為は、遠い原因が積み重なった結果として絶対的に避けられず、自動的に生じるものだと考える哲学者たちには、まったく賛成できません。あれは私がこれまで聞いた中でいちばん不道徳な教義です。そんなことになったら、誰も何ひとつ責任を負わなくてよくなってしまうではありませんか。もしある人が運命論を信じていたら、きっとただ座りこんで「主の御心のままに」と言い、そのまま死んで倒れるまで座り続けるでしょう。
私は、自分自身の自由意志と、自分自身が成し遂げる力とを絶対に信じています。そして山をも動かすのは、そういう信念なのです。私が偉大な作家になるのを見ていてください! 新しい本はもう四章まで書き上げ、さらに五章分は下書きができています。
なんだか今日はとても難解な手紙になってしまいましたね。頭が痛くなっていませんか、ダディ? ではこのへんでやめて、ファッジを作ることにしましょう。一片お送りできないのが残念です。今日は本物のクリームとバターを三玉使って作るので、いつにもましておいしくできるはずです。
愛情をこめて
ジュディ
追伸 体育の授業で創作ダンスをしています。添えてある絵をご覧になれば、私たちがどんなに本物のバレエらしく見えるかわかるでしょう。端っこで優雅なピルエットをしているのが私です。いえ、私だと思ってください、でした。
12月26日
いとしい、いとしいダディ
あなたには常識というものがないのですか? 一人の女の子にクリスマス・プレゼントを十七も贈ってはいけないって、わからないのですか? 私は社会主義者なんです、どうかそれを覚えておいてください。私を金権家に変えるおつもりですか?
もし万一、私たちがけんかでもしたら、どんなに気まずいことになるか考えてみてください。いただいた贈り物を返すのに、引っ越し屋さんを呼ばなくてはならなくなります。
私が送ったネクタイがあんなにぐにゃぐにゃしていてごめんなさい。自分の手で編んだのですから(内部証拠から、きっともうおわかりだったでしょうけれど)。寒い日に締めて、上着のボタンをきっちり留めておいてくださいね。
ありがとう、ダディ、千回でもお礼を言いたいくらいです。あなたは、この世でいちばんすてきな男の方です。そして、いちばん愚かでもあります!
ジュディ
これはキャンプ・マクブライドで見つけた四つ葉のクローバーです。新年に幸運をもたらしますように。
1月9日
ダディ、永遠の救いを確実にするようなことを、ひとつなさいませんか。ここに、ほんとうにひどい窮乏の中にいる一家があるのです。父と母と、目に見える子どもが四人。上の二人の息子は fortune を求めて世間へ出ていったきり、その fortune を少しも送り返してきません。父親はガラス工場で働いていて、結核になってしまいました。あれはとても不健康な仕事なのです。そして今は病院へ送られました。それで一家の貯えはすっかりなくなり、家族を支える責任は二十四歳の長女の肩にかかっています。
彼女は仕立て仕事をして一日一ドル五十セント稼ぎ(仕事があるときだけですが)、夜にはテーブルセンターの刺繍もしています。母親はあまり丈夫ではなく、ひどく頼りない人です。両手を重ねて、辛抱強く諦めきった姿そのままで座っているだけ。そのあいだに娘は、働きすぎと責任と心配で身をすり減らしています。この冬の残りをどうやって乗り切るのか、彼女には見当もつかないし、私にもつきません。百ドルあれば石炭が買えますし、三人の子どもに靴を買って学校へ行かせることもできます。
それに少し余裕ができれば、何日か仕事が来ないたびに彼女が心配で死にそうになることもないでしょう。
あなたは私の知る中でいちばんお金持ちです。百ドルくらい、出してはいただけませんか。あの娘さんは、私なんかよりずっと助けられるに値します。娘さんのためでなかったら、こんなお願いはしません。母親がどうなろうと、私はあまり気にしません。あまりにクラゲみたいな人ですから。
人はしょっちゅう天を仰いで、「たぶんこれも最善のためなのだろう」なんて言いますけれど、本心ではまったくそうでないとわかっているくせに、ああいうのを見ると腹が立ちます。謙遜だとか諦念だとか、何と呼ぼうとかまいませんが、結局は無力な惰性にすぎません。私はもっと戦闘的な宗教のほうに賛成です!
哲学の授業は、このところひどいものです。ショーペンハウアーをまるごとやらされていて……
翻訳注記: この翻訳は AI によって自動生成されたものであり、不自然な表現や誤りが含まれている可能性があります。原典の格調高い雰囲気を再現するよう努めていますが、正確な内容は原語版をご参照ください。