ジーン・ウェブスター
あしながおじさん
第 15 部
『足ながおじさん』
ジーン・ウェブスター
6月4日
親愛なるおじさまへ
とても忙しい時期です。卒業式まであと十日、試験は明日。勉強もたくさん、荷造りもたくさん。そのうえ外の世界があんまり美しくて、部屋の中にいるのがつらいほどです。
でもまあいいわ。もうすぐ夏休みですもの。ジュリアはこの夏も海外へ行くのよ。これで四回目。ほんとうに、おじさま、世の中のいいものって平等には配られていないのね。サリーはいつものようにアディロンダックへ。では、わたしが何をすると思う? 三回まで当てていいわよ。ロック・ウィロー? はずれ。サリーと一緒にアディロンダック? はずれ。あれはもう二度とごめんだわ、去年でこりごりしたもの。ほかには思いつかない? 想像力が足りないのね。じゃあ教えてあげる、おじさま。ただし、あれこれ反対しないって約束してくれるなら。秘書さんにも前もって言っておくけれど、わたしの決心は変わりませんからね。
この夏、チャールズ・パターソン夫人という方のところで海辺を過ごしながら、秋に大学へ入る娘さんの家庭教師をすることになったの。マクブライド家の紹介で知り合ったんだけれど、とても感じのいいご婦人よ。下の娘にも英語とラテン語を教えることになっているの。でも自分の時間も少しは持てそうだし、それに月五十ドルもいただけるのよ! びっくりするほどの大金だと思わない? 向こうからそう言ってくださったのよ。わたしのほうからなら二十五ドル以上なんて、とても恥ずかしくて言えなかったわ。
マグノリアというところにいるその家を九月一日に終えて、そのあとの三週間はたぶんロック・ウィローで過ごすつもりです。またセンプル夫妻や、あの気のいい動物たちに会いたいの。
この計画、どう思う? おじさま。ごらんのとおり、わたしもずいぶん自立してきたのよ。おじさまがわたしを自分の足で立てるようにしてくださったから、今ではもう、ほとんど一人で歩けそうです。
プリンストンの卒業式とうちの試験がちょうど重なってしまったの。ほんとうにひどい打撃だわ。サリーもわたしも、どうしても間に合うように抜け出して行きたかったのだけれど、もちろんそんなの絶対に無理。
さようなら、おじさま。どうか楽しい夏を過ごして、秋にはすっかり元気になって、また一年お仕事ができるよう戻ってきてね。
(ほんとうは、そういうことをおじさまがわたしに書くべきなのに!)
おじさまが夏をどう過ごして、どんなふうに楽しんでいるのか、わたしには少しもわかりません。どんなところにいらっしゃるのか想像もできないの。ゴルフをするの? 狩り? 乗馬? それとも日のあたるところで、ただ静かに物思いにふけっているの?
とにかく何をしていても、楽しく過ごしてね。そしてジュディのことを忘れないで。
6月10日
親愛なるおじさまへ
これは今まででいちばん書きにくい手紙です。でも、わたしは自分のすべきことを決めました。もう後戻りはしません。
この夏、わたしをヨーロッパへやろうとしてくださるなんて、ほんとうに優しくて、気前がよくて、ありがたくて、胸がいっぱいです。一瞬、その考えにすっかり酔ってしまいました。でも冷静になって考え直したら、答えはノーでした。大学のためのお金は受け取らないと言いながら、その代わりに遊びのために使うなんて、いかにも筋が通らないでしょう。
あまり贅沢に慣れさせないでください。手にしたことのないものは恋しくならないけれど、ひとたびそれが自分のもの、当然手に入るはずのものだと思い始めてしまうと、それなしでいるのは本当につらいのです。サリーやジュリアと暮らすのは、わたしのストア的な哲学にはかなりこたえます。あの二人は赤ん坊のころから何でも持っていたのよ。幸せを当たり前のものとして受け取っているの。世の中は、自分たちの欲しいものを何でも与える義務があると信じている。たぶん実際そうなのかもしれない。
少なくとも世の中のほうは、その借りを認めてちゃんと支払っているみたい。でもわたしに対しては、世の中は何ひとつ借りていないし、そのことを最初にはっきり告げました。わたしには前借りする権利なんてないの。いつか世の中は、わたしの請求なんか認めない時が来るでしょうから。
比喩の海でもがいているみたいね。でも言いたいことはわかってもらえると思う。とにかく、わたしにはとても強い気持ちがあるの。この夏は教える仕事をして、自分で自分を支え始めることこそ、わたしにできる唯一まっとうなことだって。
マグノリア
四日後
ここまで書いたところで、何が起こったと思う? メイドがジャーヴィー様の名刺を持って現れたのです。彼もこの夏ヨーロッパへ行くんですって。ジュリアたち家族と一緒ではなく、まったく一人で。
わたし、おじさまが女の付き添いの方と娘さんたちの一行にわたしを加えてヨーロッパへ行かせようとしてくださったことを話したの。彼はおじさまのことを知っているのよ。つまり、わたしの父も母も亡くなっていて、親切な紳士が大学へ行かせてくれているということは知っているの。でもジョン・グリア孤児院のことや、ほかのいろいろなことまでは、どうしても話す勇気がなかった。彼は、おじさまのことを、わたしの後見人で、きわめてまっとうな古くからの家族ぐるみの友人だと思っているの。あなたのことを知らないなんて、わたしは一度も彼に言ったことがないわ。そんなことを言ったら、あまりに妙でしょう?
とにかく、彼はわたしがヨーロッパへ行くべきだと言い張りました。それは教育のために欠かせないことで、断るなんて考えてはいけない、と。それに彼自身も同じころパリにいる予定で、時々付き添いの人の目を盗んで抜け出し、外国のすてきで変わったレストランで一緒に食事をしよう、なんて言うの。
ねえ、おじさま、それは魅力的だったわ! もう少しで心が揺らぐところでした。あんなに威張った言い方をしなかったら、たぶん本当に折れていたかもしれない。わたしは少しずつ誘われれば弱いけれど、無理やり押されるのは絶対いや。彼はわたしのことを、愚かで、ばかげていて、不合理で、ドン・キホーテ気取りで、ばかで、頑固な子どもだと言ったのよ(これは彼の悪口のほんの一部で、あとは覚えていないけれど)。自分に何がためになるかもわかっていない、年上の人に判断を任せるべきだって。もう少しで大げんかになるところだったわ。いえ、もしかしたら、もう完全にけんかしてしまったのかもしれない。
ともかく、わたしは急いでトランクを詰めて、こちらへ来ました。手紙を書き終える前に、後ろの橋が燃え落ちるのを見ておいたほうがいいと思ったのです。今ではすっかり灰になりました。こうしてわたしはクリフ・トップ(パターソン夫人の別荘の名前です)にいて、トランクもほどき、小さいほうのフローレンスは、すでに第一変化名詞に悪戦苦闘しています。そして、これがまた本当に苦戦しそう! あの子はめずらしいほど甘やかされて育っているの。まず勉強の仕方から教えなくてはならないわ。これまでの人生で、アイスクリーム・ソーダより難しいものに集中したことなんて一度もないんですもの。
わたしたちは崖の片隅の静かな場所を教室代わりに使っています。パターソン夫人が、なるべく外に出しておいてほしいとおっしゃるものだから。でも、目の前に青い海が広がり、船が通っていくのを見ながら集中するのは、なかなか難しいと白状します。あの船の一つに乗って異国へ向かっていたかもしれない、と思ってしまうとね。でも、そんなことは考えないようにして、ラテン文法のことだけ考えるの。
前置詞 a または ab、absque、coram、cum、de、e または ex、prae、pro、sine、tenus、in、subter、sub、super は奪格を支配する。
ね、おじさま。こうしてわたしはもう仕事の中にどっぷり浸かっていて、誘惑にはひたすら目を向けないようにしているのです。どうか怒らないでください。そして、あなたのご親切に感謝していないなどと思わないで。感謝しています。いつだって、いつだって。わたしがその恩に報いるたった一つの方法は、たいへん役に立つ市民になることです(女の人って市民なのかしら。たぶん違うのでしょうね)。とにかく、たいへん役に立つ人間になること。そして、わたしを見て『わたしはこのたいへん役に立つ人間を世の中に送り出したのだ』と、おじさまが言えるようになること。
うまい言い方でしょう、おじさま? でも誤解はさせたくありません。自分は少しも特別じゃないんじゃないか、という気持ちにしばしば襲われるの。将来の計画を立てるのは楽しいけれど、たぶん結局は、ほかのごく普通の人と少しも変わらない人間で終わるのでしょう。最後には葬儀屋さんと結婚して、その仕事に励みを与える奥さんになっているかもしれないわ。
いつまでもあなたの
ジュディ
8月19日
親愛なる足ながおじさんへ
わたしの窓からは、見たこともないほど美しい景色が見えます。景色というより海の眺めね。水と岩しかないのですもの。
夏が過ぎていきます。午前中はラテン語と英語と代数、それにあの愚かな二人の娘たちと過ごします。マリオンがいったいどうやって大学に入るのか、入ったあとどうやってやっていくのか、わたしにはさっぱりわかりません。フローレンスにいたっては、もう絶望的。でも、ああ、なんてきれいな子なんでしょう。きれいでさえあれば、頭が悪いかどうかなんて少しも問題じゃないのかもしれないわね。でもつい考えてしまうの。もし相手も同じくらい愚かな夫でなかったら、あの子たちの会話はきっと夫を退屈させるだろうって。まあ、それも十分ありえるわね。世の中には愚かな男の人があふれているみたいだもの。この夏だけでも何人も会いました。
午後は崖の上を散歩したり、潮の具合がよければ泳いだりします。海水でもとても楽に泳げるのよ。ほら、わたしの教育はもうちゃんと役に立っているでしょう!
ジャーヴィス・ペンドルトンさんからパリで書いた手紙が来ました。短くてそっけない手紙です。彼の助言に従わなかったこと、まだ完全には許してもらえていないみたい。でも、もし間に合って戻ってこられたら、大学が始まる前にロック・ウィローで数日わたしに会うそうです。そして、もしわたしがとても優しく、かわいらしく、素直でいたなら(そう読み取れるのだけれど)、またご機嫌を直してもらえるらしいの。
それからサリーからも手紙が来ました。九月に二週間、彼女たちのキャンプへ来ないかって。おじさまの許しをもらわなくちゃいけないのかしら。それとも、もう自分のしたいようにしていいところまで来ているのかしら。ええ、きっとそうよ。だってわたし、もう最上級生なんですもの……
翻訳注記: この翻訳は AI によって自動生成されたものであり、不自然な表現や誤りが含まれている可能性があります。原典の格調高い雰囲気を再現するよう努めていますが、正確な内容は原語版をご参照ください。