ジーン・ウェブスター
あしながおじさん
第 1 部
ジーン・ウェブスター作『あしながおじさん』
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書名:Daddy-Long-Legs
著者:Jean Webster
公開日:1994年8月1日[電子書籍 #157]
最終更新日:2021年1月1日
言語:英語
その他の情報・形式:www.gutenberg.org/ebooks/157
『あしながおじさん』
ジーン・ウェブスター著
1912年 センチュリー社刊
あなたへ
憂うつな水曜日
毎月最初の水曜日は、このうえなく恐ろしい日だった。来る前からおびえ、勇気をふりしぼって耐え、終われば一刻も早く忘れてしまいたい、そんな日である。床はどこもぴかぴかでなくてはならず、椅子にはほこりひとつ許されず、ベッドのシーツにはしわ一本あってはならない。九十七人の落ち着きのない小さな孤児たちは、きれいに洗われ、髪をとかされ、糊のきいた新しいギンガムの服にきちんとボタンを留められる。そして九十七人全員が作法を言い聞かされ、理事が話しかけたら必ず「はい、旦那さま」「いいえ、旦那さま」と答えるよう命じられるのだった。
それは気の重い時間であり、とりわけ年長の孤児であるジェルーシャ・アボットは、そのしわ寄せをまともに受けなければならなかった。だが今回の、いつもと同じ「月の第一水曜日」も、ついにはのろのろと終わりへ近づいた。ジェルーシャは、施設の客のためにサンドイッチを作っていた配膳室を抜け出し、いつもの仕事を片づけるために二階へ向かった。彼女が特に受け持っているのはF室で、四歳から七歳までの小さな子どもが十一人、小さなベッドを一列に並べて寝起きしていた。
ジェルーシャはその子たちを集め、しわくちゃの服を整え、鼻をぬぐってやり、きちんとしたおとなしい列を作らせて食堂へ向かわせた。そこで子どもたちは、ありがたいことにしばしのあいだ、パンとミルクとプルーン・プディングに夢中になっていてくれるのだ。
それから彼女は窓辺の腰掛けにどさりと腰を下ろし、ずきずきするこめかみを冷たいガラスに押し当てた。その朝五時からずっと立ち通しで、誰彼かまわず言いつけに従い、神経質な院長夫人にせき立てられ叱られ続けていたのだ。リペット夫人は舞台裏では、理事たちや見学の婦人たちの前で見せる、あの落ち着いた威厳に満ちた態度をいつも保っているわけではなかった。ジェルーシャは、凍りついた広い芝生の向こう、孤児院の境界を示す高い鉄柵のさらに先へ目をやった。そこには、田舎の邸宅が点々と散らばるなだらかな丘陵が続き、葉を落とした木々の中から村の尖塔が突き出していた。
一日は終わった。少なくとも彼女の知るかぎりでは、うまくいったのだ。理事たちも視察委員たちもひととおり巡回し、報告を読み、お茶を飲み終えると、今はそれぞれの暖かな家庭へ急いで帰っていくところだった。ひと月のあいだは、やっかいな小さな預かり児たちのことなど忘れてしまうのだろう。ジェルーシャは、孤児院の門から次々に出ていく馬車や自動車の列を、好奇心と、ほんの少しのあこがれをこめて見送った。想像の中で彼女は、一台、また一台と、その乗り物を丘の上の大きな家々まで追っていく。
そして自分が毛皮のコートに羽飾りのついたビロードの帽子をかぶり、座席にもたれて、さりげなく御者に「家へ」と告げる姿を思い描いた。けれど、自分の「家」の玄関先まで来ると、その光景はぼやけてしまうのだった。
ジェルーシャには想像力があった。もっともリペット夫人の言うところでは、その想像力はいずれ厄介ごとを招くに違いないので、気をつけなければならないのだが。その想像力がどれほど鋭くても、彼女がこれから入っていくはずの家の玄関ポーチの先までは思い描けなかった。かわいそうに、熱心で、冒険心にあふれた小さなジェルーシャは、十七年の人生で、ごく普通の家庭の家に一歩でも足を踏み入れたことがなかったのだ。孤児にわずらわされることもなく日々の暮らしを営む、ほかの人間たちの生活がどんなものか、彼女には想像することができなかった。
「ジェ・ルー・シャ・ア・ボット
呼ばれてるよ
事務室に
たぶん急いだほうが
いいと思うよ!」
聖歌隊に入ったトミー・ディロンが、歌うように階段を上がり、廊下をこちらへやって来た。F室に近づくにつれ、その節回しはますます大きくなる。ジェルーシャは無理やり窓辺から身を引きはがし、再び人生の面倒ごとへと向き直った。
「だれが呼んでるの?」
彼女は鋭い不安をにじませて、トミーの歌をさえぎった。
「リペット夫人が事務室で
しかも怒ってると思うよ
アーメン!」
トミーは信心深そうに歌い上げたが、その調子には悪意ばかりがあるわけではなかった。どんなにすれてしまった小さな孤児でも、腹を立てた院長夫人の前に呼び出される「問題児の姉妹」には同情したものだし、トミーは、ジェルーシャに腕を引っぱられたり鼻が取れそうなほどこすられたりすることがあっても、彼女のことが好きだったのである。
ジェルーシャは何も言わずに向かったが、額には二本のしわが寄っていた。いったい何がまずかったのだろう、と彼女は考えた。サンドイッチが薄くなかったのだろうか。ナッツケーキに殻が混じっていたのだろうか。見学の婦人のひとりが、スージー・ホーソーンの靴下の穴を見つけたのだろうか。それとも、ああ恐ろしいことに、自分の受け持ちのF室の、あの天使みたいな小さな子のひとりが理事に「口答え」でもしたのだろうか。
長い一階の廊下にはまだ灯りがついていなかった。彼女が階段を下りていくと、車寄せへ通じる開いた扉のところに、最後のひとりと思われる理事が、ちょうど帰ろうとして立っていた。ジェルーシャがその男から受けた印象は、一瞬のものでしかなかった。しかも、その印象のほとんどすべては「背が高い」ということに尽きた。彼は、弧を描いた車道で待っている自動車に向かって手を振っていた。車がさっと動き出し、正面からこちらへ近づいてきたとき、まぶしいヘッドライトが彼の影を屋内の壁にくっきりと映し出した。その影は、床を這い、廊下の壁をのぼっていく、ひどく長く引き伸ばされた腕と脚を奇妙な形に描き出していた。それはまるで、巨大でゆらゆら揺れるザトウムシのように見えた。
ジェルーシャの不安げなしわは、たちまち笑いへと変わった。彼女は生まれつき明るいたちで、どんな小さなきっかけからでも面白みを見つけ出していたのだ。理事という重苦しい存在から、少しでも愉快さを引き出せるなら、それは思いがけない幸運ではないか。そのささやかな出来事に元気づけられ、彼女はずいぶん気持ちを軽くして事務室へ進み、笑顔でリペット夫人の前に現れた。驚いたことに、院長夫人もまた、にっこりとまではいかないにしても、目に見えて愛想がよかった。見学客の前で身につける、あの感じのいい表情にかなり近い顔つきだった。
「おかけなさい、ジェルーシャ。あなたに話があるの」
ジェルーシャは一番近くの椅子に腰を下ろし、少し息を詰めるようにして待った。一台の自動車が窓の外を走り過ぎ、リペット夫人はそのあとを目で追った。
「今しがたお帰りになった紳士に気がつきましたか」
「後ろ姿だけ見ました」
「あの方は、当院でもとくに有力な理事のおひとりで、施設の運営のために多額の寄付をしてくださっています。お名前を申し上げることはできません。ご本人が、正体は伏せておくようはっきり条件をお出しになっているのです」
ジェルーシャは少し目を見開いた。理事の風変わりな性格について院長夫人と話すために事務室へ呼ばれるなど、彼女にはまったく縁のないことだった。
「この紳士は、これまで何人かの男子に目をかけてこられました。チャールズ・ベントンとヘンリー・フレイズを覚えているでしょう。あの子たちは、その方に大学まで出していただき、惜しみなく費やされたお金に対して、努力と成功をもって十分に報いてくれました。ほかのお礼を、その方は望んでおられません。これまでは、その慈善の手はもっぱら男子だけに向けられていました。どれほど見込みのある子でも、この施設の女子に少しでも関心を持っていただくことは、私にはできませんでした。申し上げておきますが、あの方は女の子がお好きではないのです」
「はい、奥さま」
そこで何か返事を期待されているように思えたので、ジェルーシャはそうつぶやいた。
「本日の定例会で、あなたの将来のことが議題にのぼりました」
リペット夫人はしばらく黙り、それから聞き手の張りつめた神経をいたぶるような、ゆっくりと落ち着き払った口調で話を続けた。
「知ってのとおり、普通なら子どもたちは十六歳を過ぎるとここには置かれません。けれど、あなたの場合は特別でした。十四歳で当院の学校課程を終え、その勉強ぶりがとても優秀だったのでね。もっとも、行いについてはいつもそうとは言えませんでしたが。そこで、村の高等学校へ進ませることが決められたのです。そして今、その課程も修了しようとしています。当然ながら、孤児院がこれ以上あなたの生活を支えることはできません。実際のところ、あなたは多くの子たちより二年も長く世話になっているのです」
リペット夫人は、この二年間、ジェルーシャが食事と住まいの代わりに骨身を惜しまず働いてきたこと、孤児院の都合が常に第一で、彼女自身の教育は第二だったこと、そして今日のような日には学校を休まされて床磨きをさせられていたことなど、まるで考えにも入れていなかった。
「とにかく、あなたの将来について話し合われ、あなたの記録も検討されました。徹底的に、です」
リペット夫人は、被告席の囚人に向けるような非難のまなざしをジェルーシャに注いだ。ジェルーシャもまた、期待されているからそう見えるだけで、べつに思い当たる大きな罪があったわけではないのに、なんだか自分が悪いことをしているような気持ちになった。
翻訳注記: この翻訳は AI によって自動生成されたものであり、不自然な表現や誤りが含まれている可能性があります。原典の格調高い雰囲気を再現するよう努めていますが、正確な内容は原語版をご参照ください。