2026年1月AIトレンド総括:AppleがGoogle AI採用、ChatGPTに広告導入
2026年1月の重大AIニュースを総括。AppleがGoogleのGeminiを採用しSiri強化へ、OpenAIはChatGPTに広告導入、中国AIモデルの躍進、そしてDark LLMsというセキュリティリスクまで。
はじめに
2026年1月が終わろうとしています。今月は業界の勢力図を塗り替えるような大きなニュースが相次ぎました。
特に注目すべきは、AppleがGoogleと提携してAI戦略を加速させたこと、そしてOpenAIがついに広告モデルに踏み出したことです。
今月の重大ニュースを振り返ります。
1. Apple × Google:Siri強化のための大型提携
衝撃の発表
1月12日、AppleとGoogleが共同声明を発表しました。
AppleとGoogleは複数年にわたる協力関係を締結。次世代のApple Foundation ModelsはGoogleのGeminiモデルとクラウド技術をベースにする。
CNBCによると、この契約は年間10億ドル規模とのこと。
なぜAppleはGoogleを選んだのか
Appleは昨年、AI搭載Siriのアップグレードを2026年に延期していました。自社開発だけでは間に合わないと判断し、外部パートナーを選んだ形です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 複数年 |
| 契約金額 | 年間約10億ドル |
| 独占契約 | いいえ(OpenAIとの提携も継続) |
| 対象 | Apple Intelligence、Siri |
OpenAIへの影響
AppleはすでにOpenAIと提携してChatGPTをSiriに統合していますが、Fortuneは「GoogleがOpenAIを追い抜いた」という見方を示しています。
この発表を受けて、Googleの時価総額は一時4兆ドルを突破。Nvidia、Microsoft、Appleに続く4社目の大台到達となりました。
2. OpenAI、ChatGPTに広告を導入
広告モデルへの転換
1月16日、OpenAIは公式ブログで、ChatGPTに広告を導入すると発表しました。
CNNによると:
- 対象ユーザー: 無料版とGo(月額$8)のユーザー
- 表示場所: 回答の下部に「広告」と明示
- 除外: Plus($20)、Pro、Enterpriseユーザーは広告なし
- 18歳未満: 広告を表示しない(AIで年齢推定)
OpenAIの約束
OpenAIは以下を約束しています:
- 広告がChatGPTの回答に影響を与えることはない
- ユーザーデータを広告主に販売しない
- 会話内容を広告主と共有しない
- 健康、メンタルヘルス、政治に関する会話では広告を表示しない
なぜ広告なのか
サム・アルトマンCEOはX(旧Twitter)で説明しています:
多くの人がAIを使いたいが、お金を払いたくないことは明らかだ。このようなビジネスモデルがうまくいくことを期待している。
背景には、OpenAIが今後8年間で1.4兆ドルのAIインフラ投資を計画していることがあります。8億人の月間ユーザーからの収益化が急務となっています。
ユーザーの反応
AdExchangerによると、反応は概ね否定的。発表投稿は数時間で1,040万ビューを記録しましたが、懐疑的なコメントが大半を占めています。
3. 中国AI勢の躍進:Qwen3とDeepSeek
Alibaba Qwen3-Max-Thinking
CNBCによると、Alibabaが最新モデル「Qwen3-Max-Thinking」を発表。
主な特徴:
- GPT-4oやDeepSeek-V3を上回るとAlibabaが主張
- 1兆パラメータ超(MoEアーキテクチャ)
- 119言語に対応
- AIME25で92.3%の精度
Qwenアプリは月間1億ユーザーを超え、チャットボット内でショッピングや決済も可能になっています。
DeepSeek-OCR 2
DeepSeekは光学文字認識システム「DeepSeek-OCR 2」をリリース。興味深いのは、これまでOpenAIのCLIPを使っていた部分をAlibaba Qwen2-0.5bに置き換えたこと。
中国AI企業間の協力と、米国AI技術への依存度低下が進んでいます。
DeepSeek R2の準備
TechNodeによると、DeepSeekは旧正月前に新フラッグシップモデル「R2」のリリースを準備中とのこと。
4. ヘルスケアAI:OpenAIとAnthropicの競争
OpenAI for Healthcare
OpenAIは「OpenAI for Healthcare」をB2B向けに発表:
- HIPAA対応コントロール
- ビジネスアソシエイト契約(BAA)
- 監査ログ
- データレジデンシーオプション
- 顧客管理暗号化キー
Anthropic Claude for Healthcare
NBC Newsによると、AnthropicもClaudeにヘルスケア機能を追加。ユーザーが健康記録をClaudeと共有し、医療情報の理解を助ける機能を提供しています。
両社が同時期にヘルスケア分野に進出したことは、AIの次の主戦場がここにあることを示しています。
5. Dark LLMs:新たなセキュリティリスク
犯罪者向けAIの台頭
HumAI Blogの報告によると、「Dark LLMs」と呼ばれる犯罪者向けAIが登場しています。
| サービス | 内容 |
|---|---|
| 用途 | 詐欺、フィッシング、マルウェア開発、脆弱性調査 |
| 価格 | 月額$30〜$200 |
| 例 | Nytheon AI(800億パラメータ、TOR上で運用) |
特に危険なのは「エージェント化されたフィッシング」。AIエージェントが自動的に詐欺メールを作成し、被害者の反応に応じて戦略を適応させます。
6. 注目のスタートアップ資金調達
LMArena:$1.7B評価で$150M調達
1月6日、AIモデル評価プラットフォーム「LMArena」がシリーズAで1.5億ドルを調達。評価額は17億ドルに。
- 月間500万ユーザー
- 6,000万件の会話を処理
- Felicis、a16z、Kleiner Perkinsが出資
Lovable:6ヶ月で評価額3倍
スウェーデンのAIスタートアップ「Lovable」がシリーズBで3.3億ドルを調達。
- 評価額:66億ドル(6ヶ月で3倍)
- ARR:1年で100万ドル → 2億ドル
まとめ:2026年1月の教訓
| トレンド | 意味 |
|---|---|
| Apple × Google | 最強のAI連合が誕生、OpenAIに圧力 |
| ChatGPT広告 | 無料AIの持続可能性への問い |
| 中国AI躍進 | Qwen、DeepSeekが米国勢に肉薄 |
| ヘルスケアAI | 次の主戦場が明確に |
| Dark LLMs | AI悪用のリスクが現実化 |
2026年は「AIが現実世界に影響を与える年」になりそうです。技術の進歩だけでなく、ビジネスモデル、セキュリティ、倫理の課題がますます重要になっています。
参考リンク
[Apple picks Google’s Gemini to run AI-powered Siri CNBC](https://www.cnbc.com/2026/01/12/apple-google-ai-siri-gemini.html) [OpenAI’s approach to advertising OpenAI](https://openai.com/index/our-approach-to-advertising-and-expanding-access/) [Chinese tech companies accelerate AI model rollouts CNBC](https://www.cnbc.com/2026/01/28/chinese-tech-companies-accelerate-ai-model-rollouts-us-rivals-deepseek-moonshot-kimi.html) [Anthropic joins OpenAI’s push into health care NBC News](https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/anthropic-health-care-rcna252872) [AI News & Trends January 2026 HumAI Blog](https://www.humai.blog/ai-news-trends-january-2026-complete-monthly-digest/)